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屋久島の地質

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地質概略
花崗岩 四万十層 ホルンフェルス 隆起珊瑚礁
 屋久島は、海洋プレートの沈み込み帯に位置し、その付加体である堆積岩に、花崗岩が貫入してできた島です。西は活火山の口永良部島、東には付加体のみでできた種子島があり、日本列島の基盤をなす付加体構造の見本市のような場所となっています。
 中央の山塊は、巨大な花崗岩の塊で、この花崗岩体が屋久島を特徴づける山岳を形成しています。隣の種子島は、花崗岩がないため平坦な地形です。
 また、堆積岩の花崗岩との接点部分は、熱変成を受けてホルンフェルス化しています。このホルンフェルスは非常に硬いため、大川の滝をはじめ、多くの滝を形成しています。またこの変成帯に沿ってタングステンの鉱脈が走り、鉱山跡が点在しています。
 
一方、春田浜や栗生の塚崎には隆起珊瑚礁の海岸が広がっています。


屋久島周辺地質模式図

花崗岩

 屋久島の本体を形成する岩石で、巨大な長石の結晶を含むことから屋久島花崗岩とも言われています。写真では、白い長方形の斑として写っています。
 花崗岩はマグマが地下深くでゆっくり冷えて固まった岩石です。従って屋久島は、マグマが地表に噴出する火山ではありません。
 屋久島の花崗岩は今から約1400万年前に形成された比較的新しい時代の花崗岩です。同時代の花崗岩は、紀伊半島から四国南部、九州南部に点在しています。
堆積岩

 屋久島を取り巻く海岸線は、約4000万年前に堆積したと考えられている四万十層(熊毛層)と呼ばれる堆積岩でできています。砂岩と頁岩が交互に積み重なっており、地殻変動で著しく褶曲、断裂しています。
 四万十層は、九州から四国、紀伊半島を通り関東南部にかけて分布する地質帯で、海溝堆積物が海洋プレート(フィリピン海プレート)が沈み込む際に、大陸側に押し付けられてできた付加体により形成されています。このため海洋プレートによって運ばれてきた海底火山の噴出物である枕状溶岩が屋久島でも観察できます。
 屋久島では、花崗岩質マグマの貫入時に、高熱により変成してホルンフェルス化したものが見られます。
枕状溶岩

 海底火山でマグマが噴出する際に、高圧で急激に冷やされて、枕状の塊が積み重なったような形で形成された溶岩です。
 屋久島は火山では有りませんが、海洋プレートに乗って遠く赤道付近の海底火山から運ばれた枕状溶岩が、東部の田代海岸で観察できます。
 かつては遠く赤道の方から運ばれてきたと考えられてきましたが、陸の火山由来の凝灰岩が一緒に分布していることから、あまり大陸から遠くない場所でできたと考えられています。
サンゴ

 屋久島の東部、春田浜海岸や西部の栗生塚崎の一部等には、隆起(離水)珊瑚礁から成る石灰岩地帯があります。
 これらの地域は、今から約5000年ほど前、今より気温が3度ほど高かった時代には、浅い海の中でした。(気温が高くなると大陸の氷河が溶けて海水面が今より上昇したと言われています。)
 この暖かな浅い海で生長したサンゴにより形成された石灰岩地形が、その後の気温の低下とともに、海水面が下がったために海岸に露出したのが隆起珊瑚礁の海岸です。
幸屋火砕流

 屋久島の北約40kmの海底に、鬼界カルデラと呼ばれる海底火山があります。 この鬼界カルデラは、最近では今から約7300年前に大噴火をおこしました。
 大噴火の際に海面を四方へ飛散した火砕流は、鹿児島県本土南部や種子島、屋久島を覆い、九州南部の先進的な縄文文化を壊滅させたといわれています。この火砕流を幸屋火砕流と呼んでいます。
 屋久島でも、宮之浦岳頂上近くをはじめ、各地に厚さ数十cmから2m以上の厚さで堆積しており、島中が火砕流に覆われたことが伺われます。
 一説では、この火砕流で屋久島の森は焼き払われたといわれていますが、現在の森が焼き払われたとして想像されるような焼けこげた大木や大量の木炭は火砕流の中に観察できません。従って火砕流の頃の屋久島がどのような森に覆われていたのか、また火砕流は本当に森を焼き払うほどの高温で屋久島を覆ったのか、よくわかりません。
 ただし、花崗岩という非常にミネラルの乏しい岩石から成るこの島に、喜界カルデラから大量のミネラルが運ばれ、それがその後の屋久島の森の形成に影響を与えたことは間違いないでしょう。
 写真では風化した花崗岩の粘土の上に見える、黄褐色の層が幸屋火砕流です。