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有象無象の物どもを求め、
われらYNACは、今日も行く。


森の分解者





























 ヤマモモの実がぽろぽろ落ちるほどに熟し、もこもこした樹冠のマテバシイがクリーム色の花を付け新緑の最終段階を見せる6月の西部林道で、死んで間もない仔ジカを見つけた。
 その変化がどうも気になり見に行った。死んだ動物の分解過程が記録されている宮崎学写真集「死」、冬の馬毛島で見たマゲジカの死体の数々、市川から聞いた、秋の白谷雲水峡の10日間で骨と皮になったという死んだ仔ジカの話から、横たわる仔ジカがこのあとどうなっていくかは何となく予想していた。
 しかし、実際の変化はすさまじかった。飛び回るハエが数時間でどっと増え、部分的についていた小さなウジが翌日には丸々太って全身を覆い、4日目でほぼ骨と皮の姿になった。
 仔ジカの腹部があった辺りにコロコロした1センチぐらいの塊がたくさん転がっていた。死肉にくる昆虫の仕業でこういうものができたのかと思ったが、手にとって見るとヤマモモの種子だった。甘く真っ赤な果実をたらふく食べたところで死んだということか。あっという間の梅雨の出来事。森の分解者の威力を知った。(持原)

YNAC通信13号掲載