Ynac特選コースガイド


Seakayak
一湊〜センロク鼻


屋久島南岸は、黒潮が流れ、大きなうねりと波にさらされることが多く、風下であっても油断できない場合が多い。一方、屋久島北岸は、冬場の北西の季節風が吹き荒れる季節を除けば、夏場も比較的うねりが少なく、風下になればべた凪になることが多い。
ここでは、夏場のシーカヤックの定番、一湊からセンロク鼻までのコースを紹介する。


@ 一湊漁港 
 一湊は上屋久町の漁業の中心をなす集落で、ゴマサバの一本釣りの基地として知られる。街中にはサバ節工場もあり、屋久島の中でも漁師町らしい漁師町である。町を貫く県道に面して、お墓が並ぶが、いつも新しい花で彩られ、先祖を大切にする屋久島のお墓の代表例となっている。
 漁港の中央にスロープがあるので、そこからカヤックに乗艇しよう。漁船の出入りも激しいので、港の奥の漁協前には近づかないように。また港の出入りにも、迷惑をかけないように注意しよう。

A 一湊海水浴場 
 港を出ると矢筈岬が正面に横たわる、静かな入り江に漕ぎ出す。入り江の奥は、砂浜の海水浴場となっており、夏の日差しを受けて、海が明るくライトブルーに輝く。南の海のシーカヤックを実感できる瞬間だ。
 水着のネーちゃんでも冷やかしながら、矢筈岬の付け根を目指そう。

B クレーン跡 
 この入り江は宮之浦に大きな港ができるまでは、屋久島の玄関口として栄えた天然の良港だ。かつては屋久島電工の荷揚げ場もここにあり、その名残のクレーンの残骸が今も入り江奥に聳え、往時を偲ばせている。このクレーンの周りは、ダイビングポイントにもなっており、魚が豊富だ。カヤックを泊め、そっと水中を覗いて見よう。

C 八筈嶽神社 
 クレーン跡からは、矢筈岬の西岸を岬の先端へ向けて漕ぎ進もう。やがて鳥居のある洞窟が見えてくる。ここが八筈嶽神社だ。広々とした天然洞窟に八幡様が奉られている。
 伝説によるとネズミを追いかけて洞窟に入った白いネコが種子島の熊野神社から出てきたとか。兎にも角にもここで航海の安全を祈願して先へ進もう。

D 矢筈灯台 
 ここから岬の先端までの間は、離れ瀬を縫うように進むと面白い。澄み切った海中を覗くと、サンゴに群れるカラフルな魚たちを見ることもできる。
 岬の先端は、流れが速くべた凪の日でも波立つことが多い。このコース最大の難所である。波のある日は、先端までいかず、矢筈灯台が見えたら、きびすを返して、大浦を目指そう。

E 大浦温泉 
 矢筈岬から大浦までは、沖を一気に進もう。スピード感がシーカヤックの命だ。大浦の手前に大きな離れ瀬が二つあるが、その岸よりを通り大浦の入り江に入ったらちょっと一休み。ビールがうまい。
 正面には大浦温泉が見える。帰りには海を見ながら温泉につかって帰りたい。但し17時には閉まってしまうので注意が必要。火曜定休日と書かれているが、それ以外の日に閉まっていたこともあるので、そのつもりで。
 大浦の出口あたりは、ウミガメウォッチングポイントだ。のんきに浮かんでいるウミガメにそっと近づいて見よう。ここまで来れば、センロク鼻の上陸ポイントまでもう一漕ぎだ。

F センロク鼻の入り江 
 海岸の岩礁を眺めながら岸辺を漕ぎ進む。このあたりの海岸斜面は豊かな森に覆われている。昔から屋久島では、緑深い山が海岸に黒々とした影を作る場所を「山黒味」と呼んで、絶好の漁場とされていたため、海辺の森が残されたそうだ。特に島の北海岸では県道より海側に自然の森が残されているところが多く、ヤクザルの棲みかともなっている。
 大きく南へ回りこむと、入り江の最奥が、上陸ポイントだ。回り込む角のところも、流れがあるので波が立ちやすい。風向きが変わると大波となることもあるので注意が必要だ。

G 上陸ポイント 
 最奥部は、少々の波があっても凪ているので上陸可能だ。流木が豊富なので薪に事欠くことはない。まわりはこんもりとした森に覆われ、人工物も目に入らないので、ちょっとした無人島気分を味わえる。
 上陸したら目の前の海でスノーケーリングを楽しもう。左手の大岩の脇にハマサンゴの大きな群体があり、カラフルな魚が群れている。サンゴの陰からはサザナミヤッコやタテジマキンチャクダイが顔を出している。そのまま左手の岸に沿って進むと、水中に大きな棚が突き出しており、その下をくぐるとハナミノカサゴやイセエビなどが潜んでいる。このあたりの岩場はイソモンも採れるので、磯串は必携だ。少し沖へ出ると大きなブダイやニザダイの仲間が群舞するのが見えるであろう。

H 帰途 
 帰りは岸づたいに、のんびりと一湊の港まで戻ろう。早めに上がって、大浦温泉だ!
 東風が強くなると一湊方面は時化てくるので、センロク鼻をこえ、吉田の港にエスケープすることも可能だ。
 
《コースタイム》
ゆっくり漕いで上陸ポイントまで2時間程度。
Ynac通信10号掲載